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大企業、上場企業でも使える事業展開等リスキリング支援コース

近年、企業が競争力を維持し、成長を続けるためには、従業員のスキルを継続的に向上させる「リスキリング」が欠かせません。特に、技術の進化や市場の変化に対応するためには、新たな事業領域への進出や既存事業のデジタル化、イノベーションが求められます。しかし、こうしたリスキリングにかかる費用を負担することは、特に大企業や上場企業にとっても大きな課題です。そこで活用できるのが、事業展開等リスキリング支援コースです。このコースは、中小企業だけでなく、大企業や上場企業でも適用されるため、企業の成長をサポートする重要な制度となっています。

事業展開等リスキリング支援コースとは

事業展開等リスキリング支援コースは、企業が新たな事業領域に進出し、既存事業の高度化や多角化を図る際に、従業員のスキル向上を支援するための助成金制度です。このコースの目的は、企業が新しい事業分野での競争力を強化し、持続的な成長を実現するために、従業員が必要とする新たなスキルを習得することを支援することです。

従業員がこれまでの業務で培ったスキルだけでは対応できない分野でのスキルを、訓練を通じて習得するための経費を助成する制度です。大企業や上場企業にとっても、新たな事業展開や技術革新に対応するためには、これまでの知識やスキルに加えて、異なる分野での専門的な能力が求められます。そのため、事業展開等リスキリング支援コースは、こうした企業にとっても有用な支援策となります。

大企業や上場企業が対象になる理由

事業展開等リスキリング支援コースは、規模の大小にかかわらず、すべての企業が利用できる制度です。大企業や上場企業にとっても利用可能な理由として、以下のポイントが挙げられます。

1. 新たな事業領域への挑戦

大企業や上場企業は、これまでの主力事業に加え、新たな事業領域に進出することで、競争力を強化し、成長を続けようとします。製造業がIT分野に進出する、またはサービス業がデジタルマーケティングを強化するなど、異業種への展開が求められるケースが増えており、これに対応するためのリスキリングが必要です。事業展開等リスキリング支援コースは、こうした新たな挑戦に対して、従業員が必要な知識やスキルを身に付けるための支援を行います。

2. 事業のデジタル化や高度化への取り組み

デジタル技術の進化に伴い、大企業や上場企業でも従業員のスキルをリスキリングする必要があります。ビジネスプロセスの効率化やAI、データ分析、IoT(モノのインターネット)の活用など、従業員が新たなスキルを習得しなければならない場面が増えているからです。このようなリスキリングにかかる費用を、事業展開等リスキリング支援コースの助成金で軽減することができます。

3. 組織の多角化やイノベーションの推進

大企業や上場企業が新たな事業領域に進出する際、既存事業とは異なる分野での人材育成が求められます。例えば、自社製品をデジタルプラットフォームで販売するEC事業や、製造業におけるAIやIoTの導入がこれに該当します。これらの分野では、従業員が新たな知識を必要とし、企業はそのための教育訓練を行わなければならないため、事業展開等リスキリング支援コースが役立つのです。

助成対象となる経費と申請方法

事業展開等リスキリング支援コースの助成対象となる経費は、以下のようなものが挙げられます。

1. 人材育成にかかる費用

新たな事業分野で求められるスキルを習得するための講師料や、研修プログラムの作成、受講料などが助成対象となります。

2. 教材費やテスト費用

訓練に必要な教材やテストを作成するための費用も、助成の対象となります。

3. 会場費やオンライン学習プラットフォームの利用料

オンライン研修や集合研修を実施するための会場費、またはオンライン学習プラットフォームの利用料も助成の対象です。

企業が事業展開等リスキリング支援コースを利用する際の申請方法は、まず計画書を作成し、必要書類を添えて労働局に提出することから始まります。計画書には、訓練内容、対象従業員、訓練を通じて得られる効果などを具体的に記載する必要があります。その後、申請が承認された場合、訓練の実施、報告、支給申請を行うことで、助成金を受け取ることができます。

まとめ

事業展開等リスキリング支援コースは、大企業や上場企業にとっても非常に有用な制度です。企業が新たな事業領域への進出や既存事業の高度化を目指す際に、従業員のリスキリングを支援するための費用を軽減する助成金制度が、企業の競争力を向上させ、持続的な成長を支える重要な役割を果たします。大企業や上場企業も積極的に活用することで、変化する市場環境に柔軟に対応し、成長を続けるための一助となるでしょう。